ジョコビッチとアルカラスが準決勝で激突

Pepperstone ATPランキングのトップ4が、Nitto ATPファイナルズの準決勝で激突します。

地元期待のスター、ヤニク・シナーは、パラ・アルピツアーで行われるアフタヌーンセッションでダニル・メドベージェフと顔を合わせます。イブニングセッションでは、世界1位のノバク・ジョコビッチとカルロス・アルカラスが対戦。2023年シーズンにもっとも注目を集めたライバル対決が再びトリノで実現します。

[3] ダニル・メドベージェフ VS. [4] ヤニク・シナー (ITA)

6週間前までは、メドベージェフとシナーの Lexus ATP Head2Head の対戦成績は一方的なものでした。

世界ランキング3位のメドベージェフは、10月初旬の北京のチャイナ・オープンの決勝戦まで、シナーとの対戦戦績は6戦全勝でした。しかし、シナーは北京でタイブレークの末にメドベージェフに勝利、10月末のウィーンでも3セットの戦いを制して優勝しました。

そして今、シナーはライバルとなる世界ランキング上位の選手たちを相手に、もっとも大きな舞台でシーズン最後の頂点を目指します。今週の Nitto ATPファイナルズで、シナーはグリーングループでステファノス・チチパス、ノバク・ジョコビッチ、ホルガ・ルーネに勝利し、全戦全勝という完璧な戦績を残しました。地元イタリアの観客のエネルギーは、土曜日にメドベージェフと決勝進出をかけて戦うシナーにとって、大きな力となるに違いありません。

「ここにいられることをとても誇りに思っています。開催地はイタリアです。プレッシャーがかかることは確かですが、ポジティブなプレッシャーです。この状況にいるのは本当にいいですね。ここまで、私はとてもうまくやってきたと思います」とシナーは木曜日にルーネに勝利した後に話しています。

「この調子でいけるといいですね。観客のみなさんは、特に私がコートで苦戦しているときに、たくさんの力を与えてくれます。あと2試合です。チャンスはあると思います」。

シナーが Nitto ATPファイナルズで初優勝を飾るには、メドベージェフの容赦ない攻撃を、強烈なグランドストロークで打ち抜くことができるかどうかが鍵になるでしょう。パラ・アルピツアーの速いコートは、シナーのプレースタイルには有利に働くことが考えられます。そしてキャリア最高のテニスをしているシナーをメドベージェフは警戒しています。

「シナーは今、絶好調です。(トリノでの結果が)それを証明しています。ウィーンでは、彼が北京でやってきたことに対応できたように感じていましたが、それでも私は負けてしまいました。彼のショットに対応できるようになるには、もっとレベルアップする必要がありますね」とメドベージェフは話しています。

メドベージェフはレッドグループでの最後の試合ではアルカラスに敗れましたが、アンドレイ・ルブレフとアレクサンダー・ズベレフを破った今週のプレーでは、白星を挙げられなかった1年前のトリノのときよりも、本来の彼らしいプレーを出せています。メドベージェフは、速いコンディションでのプレーを得意としており、ロンドンで開催された2020年の Nitto ATPファイナルズを含め、ツアー20勝のうち8勝をインドアで挙げています。

土曜日、メドベージェフはトリノでのシナーの快進撃をとめるべく、対戦に臨みます。

[1] ノバク・ジョコビッチ (SRB) VS. [2] カルロス・アルカラス (ESP)

2023シーズン、もっとも注目を集めたジョコビッチとアルカラスの対戦が、Nitto ATPファイナルズ、パラ・アルピツアーでの土曜日のイブニングセッションで再び実現します。

今季3度対戦している両選手は、これまで Pepperstone ATP年末ランキング1位の座を争い続けてきました。最終的にその栄誉は、日曜日にルーネとの3セットにおよぶ接戦を制したジョコビッチが手にしました。しかし、ジョコビッチは7度目の Nitto ATPファイナルズ制覇のために一息つく余裕はなく、さらに集中を高める必要があります。

今週のトリノで20歳のルーネの勢いに苦戦し、22歳のシナーに敗れたジョコビッチは、若いライバルの実力を思い知らされました。今季2度の四大大会優勝を含む12度のツアータイトルに加え、ジョコビッチは Nitto ATPファイナルズの栄冠を目指し、気を引き締めています。

「アルカラス、ルーネ、シナーの世代はとても力があります。おそらく彼ら3人が、現在もこれから先も、このスポーツをけん引していくでしょう。彼らは全員、頂点に位置しており、将来性があります」とジョコビッチは話しています。

6月の全仏オープンでジョコビッチがけいれんに苦しむアルカラスを4セットで下した後、両選手は2度対戦していますが、その2試合とも注目を集める戦いとなりました。ウィンブルドンでは、アルカラスがジョコビッチの真のライバルであることを見せつけ、5セットマッチを制してタイトルを獲得。その1か月後、シンシナティで行われたATPマスターズ1000の決勝では、ジョコビッチがチャンピオンシップポイントをしのいでアルカラスを下し優勝、リベンジを果たしました。

Lexus ATP Head2Head での対戦成績は2勝2敗。最高峰のライバル対決は、土曜日のトリノのイブニングセッションで、未知の領域に突入します。両選手がインドアのハードコートで対戦するのはこれが初めてで、アルカラスはインドアでのツアータイトルがありません。アルカラスがトリノの速いコートでミスを最小限に抑え、ジョコビッチとの長いラリー戦で流れをつかめるかどうかが鍵になるでしょう。

Pepperstone ATPランキングでは、ジョコビッチは1位でアルカラスは2位に位置していますが、両選手の Nitto ATPファイナルズでの経験値は対照的です。ジョコビッチは6度の優勝経験を持ち、通算戦績は48勝18敗、準決勝での戦績は8勝3敗です。対するアルカラスは今回が初めての大会出場。月曜日の初戦でズベレフに敗れ、スタートでは出遅れましたが、アンドレイ・ルブレフとダニル・メドベージェフにストレート勝ちし、すぐに勢いを戻しています。

「この大会で優勝するのが夢です。もちろんですよ。でもまずは準決勝でベストのプレーをしなければいけません。史上最強の選手と対戦するんです。対戦相手は世界最高の選手です。彼に勝つためには最高のプレーをしなければなりません」とアルカラスは話しています。

今シーズン、ジョコビッチとアルカラスのライバル対決は、私たちテニスファンを熱狂の渦に巻き込んできました。Nitto ATPファイナルズの準決勝、どちらかしか勝ち残れない対戦は、シーズンのフィナーレを飾るのにふさわしい一戦になりそうです。

ディフェンディング・チャンピオン、ラム/ソールズベリー組が連勝記録更新を狙う

Nitto ATPファイナルズで、ラジーブ・ラム/ジョー・ソールズベリー組の快進撃を止めるのはどのチームでしょう? ディフェンディング・チャンピオンのラム/ソールズベリー組が、トリノでの連勝記録を8試合に伸ばしました。土曜日のイブニングセッション、準決勝ではサンティアゴ・ゴンサレス/エドゥアル・ロジェバセラン組と対戦します。

もうひとつの準決勝、アフタヌーンセッションでは、第3シードのロハン・ボパンナ/マシュー・エブデン組が第5シードのマルセル・グラノリェルス/オラシオ・セバジョス組と顔を合わせます。この対戦で勝ったチームが Pepperstone ATP年末ダブルランキングで1位を獲得、そして、パラ・アルピツアーの決勝戦に進出します。