アレクサンダー・ズベレフは日曜日の夜、ダニール・メドベージェフを破ってNitto ATPファイナルズのタイトルを獲得し、トリノでのスリリングな1週間を終え、ATPツアーのシーズンを最高の形で締めくくりました。

ATPTour.comでは、シーズン最終戦での1週間を振り返って、5つのポイントを紹介します。

1) ズベレフがタイトルを獲得
ズベレフは2度目のNitto ATPファイナルズのタイトルを獲得したと言ってもいいでしょう。ラウンドロビンでメドベージェフに最終セットのタイブレークで敗れた後、準決勝に進出し、その後は一度も振り返ることなくプレーしました。

準決勝では、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチを3セットマッチの末に退け、優勝決定戦ではメドベージェフを6-4、6-4で下し、優勝を果たしました。ズベレフはNitto ATPファイナルズの歴史の中で、イワン・レンドル(1982年)、ステファン・エドベリ(1989年)、アンドレ・アガシ(1990年)に続き、フェデックスATPランキングの上位2選手を準決勝と決勝で破った4人目の選手となりました。

ズベレフは「これは特別なことで、今はとても興奮していて幸せです。ここで優勝すること以上のシーズンの締めくくり方などありません。信じられないくらい幸せですし、もうすでに来年が楽しみです」と語りました。

2) メドベージェフ、タイトル防衛には至らず
メドベージェフは、Nitto ATPファイナルズでのタイトル防衛に向けて万全の態勢を整えていましたが、シーズン最終戦では惜しくも敗れてしまいました。

メドベージェフは、2年連続で4勝0敗の無敗で決勝戦に臨みました。しかし、昨年はドミニク・ティエムを相手に1セットダウンから挽回してタイトルを獲得したメドベージェフも、今回はズベレフを相手に反撃することができませんでした。ズベレフは決勝でサーブを落とさず、世界No.2のメドベージェフのこの大会での9連勝を止めてしまいました。

メドベージェフは、ジョコビッチが2012年から15年まで4回優勝して以来のNitto ATPファイナルズの連覇を達成することはできませんでしたが、それでも最大のイベントでの優勝を目指すことを止めません。

「ベストを尽くして、より多くのタイトルを獲得し、大きな大会で決勝に進出できるように頑張ります」とメドベージェフは語りました。

3) エルベール/マユ組、再び優勝
ピエール=ユーグ・エルベールとニコラ・マユは、レッドグループの第2試合で、ラジーブ・ラム/ジョー・ソールズベリー組と対戦し、マッチタイブレークの末に敗れました。しかし、そのリベンジを果たした第3シードは、ラム(アメリカ)/ソールズベリ(イギリス)のペアをストレートで破り、2度目のNitto ATPファイナルズ優勝トロフィーを手にしたマユは、最終戦で複数回優勝した8組目のチームであり、フランス人ペアとしては初めてのことです。また、2人は今回で6回目のシーズンフィナーレ出場となります。

マユは「2回目の優勝は素晴らしい気分です。ラウンドロビンでは二人は素晴らしいプレーをしていましたから、負けてしまいました。今日は最高のプレーをしなければならないと思っていたので、今週の中で最高のプレーができたと思います。このような形でシーズンを終えることができたのは素晴らしいことです」と語りました。

4) トリノへの開催地移動の成功
Nitto ATPファイナルズは、12年間のロンドンでの開催を経て、今年初めてトリノで開催されました。選手たちは到着した瞬間から、ズベレフが優勝してボールを投げた瞬間の歓声に至るまで、街は賑わい受け入れてくれました。

ズべレフは「イタリアでの大会を特別なものにしているのは、ファンの存在です。イタリアで特別なのはファンです。毎年、ローマは1年の中で最も好きな大会のひとつです。今大会はそれを上回るものになったと思います。自分のキャリアの中で、毎回イタリアでプレーするのが待ち遠しいです。私はイタリアをとても愛していて、イタリアも同じようにテニスを愛してくれることを願っています」と語りました。

街中にイベントを宣伝する看板が設置されたほか、サンカルロ広場にはファンビレッジが設けられ、シーズンフィナーレをより身近に感じることができる様々な仕掛けが施されていました。また、大会前の金曜日には、選手たちが街中を歩いてイベントの公式写真を撮るというサプライズもありました。

5)シナーの輝く瞬間
今回の大会で最も感動的だったのは、ラウンドロビンでのプレー中でした。ご当地本命のマッテオ・ベレッティーニが2試合目の前に左腹斜筋を痛めて棄権したため、急遽、同じイタリア人のヤニック・シナーが出場することになり、マイアミ・オープン・プレゼンテッド・バイ・イタウの覇者であるフベール・フルカチュとの対戦がたった数時間後に控えていたのです。

シナーは、パラ・アルピトゥールに集まった観客の声援を受け、完璧なプレーで6-2、6-2でポーランドのフルカチュを下しました。この日のインタビューでは、観客のスタンディングオベーションに圧倒され、何度もマイクから遠ざかる必要があるほどでした。

「雰囲気がなんとも言えず感無量なんです。ここにいてくれる皆が、私を、そしてイタリアを応援してくれるのです。イタリアでプレーすることは特別なことです。みんなで団結し、一緒に勝ちたいと思えるのです。会場全体が一体になってプレーする、一人の相手に対して、そんな応援をしてくれるなかで戦うのは容易なことではありません。」