この15年の間、四大大会などのメジャー大会は、ビッグ3(ノバク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル)の独壇場でしたが、Nitto ATP Finals は、これからの10年間、テニス界をリードする新世代の選手たちが頭角を現す舞台となっています。

アレクサンダー・ズベレフ(2018年)、ステファノス・チチパス(2019年)、ダニル・メドベージェフ(2020年)は、ここ数年、最終戦でビッグ3をシャットアウトしてきましたが、今年から会場をイタリアのトリノに移して開催されている Nitto ATP Finals でも、その傾向は続いています。スリリングな2021年シーズンの最終戦で、決勝に駒を進めて来たのは、メドベージェフとズベレフでした。

両選手の12度目の対戦は、ラウンドロビンのレッドグループで、メドベージェフがズベレフに6-3、6-7(3)、7-6(6)で勝利した5日後に訪れました。前回の対戦後のインタビューで、メドベージェフは「手が震えていた」と明かし、ズベレフは「自分にはまだチャンスがあると言い聞かせている」と話しています。

日曜日の決勝戦では、今季5度目のタイトルを目指すメドベージェフと、今季、ツアー最多の6度目の優勝を狙うズベレフが激突します。

メドベージェフは、初めて Nitto ATP Finals に出場した2019年大会では0勝3敗を喫しましたが、2020年大会からは負けなしの9連勝中です。メドベージェフが優勝すれば、ジョコビッチが2012年から15年にロンドンで4連覇を記録して以来の大会連覇の記録となります。ジョコビッチは15連勝での4連覇でした。

ズベレフは、ラウンドロビンで敗れた対戦相手に決勝で勝利するという、2018年大会と同じ道を歩もうとしています。2018年のロンドン大会では、ズベレフはラウンドロビンでジョコビッチに敗れましたが、決勝戦では6-4、6-3で勝利し、自身のキャリアで最大のタイトルを獲得しました。

両選手の対戦は、2020年からはメドベージェフが5連勝していますが、「ただの参加者としてではなく、試合に勝って良い結果を出したい」とズベレフは話しています。準決勝で世界ランキング1位のジョコビッチを7-6(4)、4-6、6-3で破ったズベレフの自信が、メドベージェフの連勝を止める鍵になるかもしれません。

メドベージェフは、「サーシャのビッグサーブとビッグストロークは素晴らしいです。フォアハンドもバックハンドも同じようにパワフルです。彼はオールラウンドになんでもできるプレーヤー。守備もいいし、チャンスがあれば逃さず打ってきます。彼は完璧なプレーヤーです」と準決勝でカスパー・ルードを6-4、6-2で破った後に話しています。

メドベージェフとズベレフが Nitto ATP Finals で対戦するのはこれが4度目で、今季は、ともに ATP ツアー最多の58勝の戦績を残しています。9月の全米オープンで四大大会初優勝(ジョコビッチに勝利)し、好調の波に乗るメドベージェフ。いっぽうのズベレフも8月の東京オリンピックの準決勝でジョコビッチを破って決勝に進出し、金メダル(ハチャノフに勝利)を獲得しています。

東京オリンピック以降のズベレフの戦績は31勝4敗と好調です。「日曜日の対戦を楽しみにしています。ラウンドロビンでは、(メドベージェフにファイナルセットタイブレークで)8/6で惜敗でした。決勝戦も素晴らしい戦いになると思います。四大大会とオリンピックを除けば、この大会は世界で最も大きな大会です」。

「もう一度チャンスが来るのを楽しみにしています。メドベージェフは世界で最も優れたプレーヤーのひとり。難しい試合になることは必至です」とズベレフは話しています。